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ニンジンハンターが採る1000万円の山参と高麗人参とはこんなに違う

高麗人参野生種の高麗人参「山参(サンサム)」
ニンジンハンターって、みじめ???

NHK―BS1で11月29日と12月2日(再)に放送された「ニンジンハンター~韓国・元エリートたちの一獲千金~」を見られた方は、どう思われましたか?

わたしは、BS放送の契約をしていないので、友人や知人に高麗人参について面白そうな番組が放送されるから、ぜひ見てねって知らせました。内一人には録画をお願いしておきました。

NHKのBS1サイトでは、下記のように番組内容を伝えていて、興味津々でした。

    高麗人参
    健康食品として人気の高麗人参。今、韓国ではその野生種・サンサム(山参)に注目が集まっている。山奥にしか自生せず、韓国人でも実物を見た者は少ないという極上品。値は高騰を続け、1千万円で取引されるものも。大物を見つけ出し、一獲千金を狙う男たちがいる。そこには、かつてサムスンやヒュンダイなどで働いていたエリートの姿もあった。彼らに何があったのか。秋は山参狩りのベストシーズン。男たちの真剣勝負に同行する
    [出典:NHK ONLINE BS1スペシャル http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/1623415/index.html]

番組を見た友人や知人から早速連絡があり、大変な仕事だなあとか、あれでは生活できないだろうとかというものでした。

きっと、夢があるなあとか、男のロマンだねえって感想が来るものだと思っていたのに意外でした。韓国では人参堀りの職人をシンマニと呼び、それなりに尊敬される職業のなのですが。

高麗人参

NHKのみんなのレビューでも「考えさせられた」が多く、視聴者から寄せられたコメントも、奈落の底とか、下流老人とかネガティブなものでした。


数日後、知人から録画したものが届き、視聴しました。なるほど、韓国有数の企業のエリートがリストラされ、何の不自由もない豊かな暮らしから一転して奈落の底へ。山参(サンサム)で一獲千金を手にして、一発逆転の人生を狙う姿。

この姿に、わたしは夢とか男のロマンを感じるのですが、多くの人は奈落の底から下流老人への道を思い浮かべるようです。番組がハッピーエンドで終わっていないところがそうさせているのかもしれません。

もちろん、わたしはエリートでもリストラにあったわけでもありませんが、友人や知人から見れば、わたしもニンジンハンターと同類に思われたようです。

実際、野生の高麗人参を探しに、磐梯山や安達太良山など山々に行ってますので、そう思われても仕方ありません。正直いろいろと大変なのは事実です。

この番組のおかげでしょうか、友人や知人は「あなたにオススメの商品」を買ってくれました。皆さんもよろしくお願いいたします。☞こちらへ

高麗人参と山参はこんなにも違う

奈落の底に落ちたエリートから切り口を変えて、高麗人参の視点で、この番組から学んだことを整理したいと思います。ここでは、畑で栽培した高麗人参を高麗人参とよび、山に自生している野生種の高麗人参を山参(サンサム)と呼ぶことにします。

高麗人参と山参との根の形状はこんなに違う

高麗人参 高麗人参 

高麗人参と山参の根の写真をみてわかるのは、高麗人参が太いのに対し、山参は細く華奢な感じがします。

何十年も成長した割に、非常に細いのが特長です。


高麗人参 山参(サンサム) 

そして最大の違いは、脳頭と呼ばれる胴体(主根)から茎までの間の地下茎の長さです。

この地下茎は1年にひとつの節を作り、シワのように積み重なります。このシワの数で年数を知ることができます。


高麗人参と山参との年数はこんなに違う

高麗人参は6年根が中心です。栽培年数が長くなればなるほど病原菌の発生によって根腐れを起こします。そのため効率の良い4-5年で収穫する場合も見られます。

一方、山参は数十年から100年を超えるものまで売買されています。高麗人参は6年ほどで根腐れを起こすのに、山参はなぜ根が腐らないかという疑問が湧きます。これは、山参が森と共生しているからです。

高麗人参松の周りに自生している竹節人参

民話の記事でも紹介していますように、山参は朝鮮松(朝鮮五葉)と共生体になっているというのが私の持論です。山参は朝鮮松に病原菌から守られているのです。

今回の番組でもそれを裏付ける場面が数回見られました。注意深く見るとそこは松林です。

ニンジンハンターが場所を明かしたくないため、ボカシが入ったりしていますが、わたしは見ました。近くに朝鮮松があることを。


高麗人参と山参との値段はこんなに違う

高麗人参の6年根の土根は1本あたり、数千円です。これに対し、山参は20年根17~50万円、30年根30~100万円、50年根60~200万円、90年900万円です。もうこうなると、高麗人参と山参は全く別物ということです。

韓国野生人参鑑定協会という山参専門の鑑定団体があり、年数や形状により値を決めます。

高麗人参と山参との効能はこんなに違う

山参は、民話や昔ばなしで伝えられてきた効能を持っているに違いありません。1千万円を払って飲まれる方がおられるというのは事実です。迷信や伝説にそのような大金を払うとは思えません。

確かな効能があるから需要が生まれているのに違いありません。最終的には、家族や友人など自分の身近なところで試してみたいと思っています。

ニンジンハンターが採っていたのは山養参ではないか?

今回の放映では、ニンジンハンターは韓国南部のキョンサムナム(慶尚南)道と北東部のカンウォン(江原)道の山中を探していました。しかし、高麗人参の自生地は、もっと北部の中国吉林省の長白山(日本名:白頭山)あたりです。

よって、ここで見つかったものは、おそらく山養参の残りではないかと思われます。山養参とは、種を山に播いて栽培した高麗人参のことで、かつて韓国でよく行われていました。何十年も生育してきたのですから、もう立派な山参と言っていいでしょう。

わたしもニンジンハンターをしながら、栽培技術のイノベーションを図って「高麗人参の価格で、山参の品質」をお届けできるよう頑張りたいと思います。
ご声援よろしくお願いいたします。