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シンマニになった気分で高麗人参を探しに会津磐梯山に登ってきました

高麗人参 米沢街道から望む磐梯山

高麗人参はもともとは日本に自生はしていませんが、本当に日本に野生の高麗人参はないのでしょうか?
民謡 ♪♪会津磐梯山は宝の山よ~♪♪ で有名な福島県の会津地方にある磐梯山に高麗人参を探しに行ってきました。

シンマニとは韓国語で、野生の高麗人参を掘るプロフェッショナルのことです。野生の高麗人参は山参(サンサム)と呼ばれています。栽培ものに比べて圧倒的に数が少なく、生育年数が数十年~数百年と長く、薬効も高いといわれています。1本数百万円もするものもあり、非常に珍重されています。

シンマニは、高麗人参が中国漢方として評価されるずっと前から、まだ民間薬として使われていた時代、おそらく五千年ほど前から高麗人参を掘り続けている高麗人参掘りのプロの専門職です。

日本にもマツタケ採りの名人はいますが、高麗人参採りのシンマニは威厳もステイタスもある職業であったようです。神聖で高貴な薬草を何日も山中深く入り、厳しい環境下での作業を考えると当然かもしれません。

シンマニには遠く及びませんが、シンマニの気分で磐梯山に高麗人参を探しに行ってきました。

磐梯山の自然環境は高麗人参の生育条件を満たしている

民謡 ♪♪会津磐梯山は宝の山よ~♪♪ の歌詞にある「宝」とはいったい何のことを指しているでしょうか?
鉄などの鉱物資源、稲の実りなど諸説あるようですが、高麗人参愛好家の私としては、宝は高麗人参ではないかと思っています。

磐梯山に野生の高麗人参が生えていても不思議ではありません。このように考える根拠は2つあります。

磐梯山の麓に広がる会津盆地は高麗人参の一大産地

ひとつは、磐梯山の南西の麓に広がる会津盆地は、長野県佐久、島根県大根島とともに高麗人参の三大産地の一つです。三百年ほど前から大規模な栽培が行われています。

栽培されている高麗人参の実を鳥や動物が食べ、磐梯山の山中に糞と一緒に出したと考えられます。そしてそれが数百年かけて繁殖していると考えてもおかしくありません。

磐梯山は高麗人参のふるさとの中国白頭山に似ている

高麗人参猪苗代湖から望む磐梯山

もう一つの根拠は、磐梯山が白頭山に似ているということです。白頭山は高麗人参のふるさとで、中国吉林省と北朝鮮の国境地帯にある標高2,744mの火山です。とても美しいカタチをした独立峰です。

シンマニには、高麗人参が自生していそうな山かそうでないか分かるといいます。シンマニが言うには、白頭山のような火山で、独立峰で美しいカタチをした山で、気力が満ち溢れた山で、人々に愛される山であることが高麗人参が自生している条件としています。

磐梯山はこの条件に合致しています。磐梯山は標高1,816mで白頭山より低いですが同じ火山です。日本百名山にも選ばれ、毎年多くの登山客が訪れる山です。民謡「会津磐梯山」にも歌われ昔から人々に愛されている山です。

裏磐梯は高麗人参の生育環境を備えている

また、シンマニは長年の経験や言い伝えで山参が育つ場所の条件として、東北の傾斜地、風通しの良い半日蔭、過湿でもなく乾燥でもなく適湿、針葉樹と広葉樹が二対三、下方に川が流れている所としています。

磐梯山は1888年に噴火し、山の北側にあたる裏磐梯は10年たっても土砂と岩石の荒れたままでした。これを案じた会津の醸造業の遠藤十二郎が私財を投じて植林活動を行いました。

アカマツや杉類の針葉樹やヤマナラシ、ウダイカンバなどの広葉樹を半々植えました。遠藤は高麗人参の栽培を意識していたとは思いませんが、高麗人参に適した森林となりました。

高麗人参 磐梯山の麓の大小多数の湖

磐梯山の北東側には檜原湖、秋元湖などの大きな湖から五色沼のような小さなものまで大小300もの湖があります。またこれらの湖から長瀬川などの河川が磐梯山東側を流れ猪苗代湖へと流れています。東側に走る吾妻連峰やその南側に続く安達太良山脈から離れた独立峰であるため、遮るものはなく風通しの良いところとなっています。

シンマニが知れば大絶賛するほどの高麗人参の生育環境が整っています。

高麗人参 五色沼から望む磐梯山

1日目は磐梯山の北東にあたる五色沼周辺を探索しました。残念ながら高麗人参の手掛かりはありませんでした。

2日目はいよいよ磐梯山頂上を目指します。磐梯山への登山口は6所あります。今回は磐梯山への登るのがはじめてなので、まずは磐梯山になれることを優先し、初心者向けの八方台登山口から登ることにしました。

見つかることを祈って出発!
次回に続く

高麗人参 [出典:http://www.town.bandai.fukushima.jp/kanko/]