「シンマニになった気分で高麗人参を探しに会津磐梯山に登ってきました」のつづきの2日目です。
朝起きてホテルの窓からは、朝陽に照らされてピンクに染まった磐梯山が見えました。頂上には少し靄がかかり麓の湖からの適度な湿度があることが窺えます。シンマニの言うところの高麗人参の存在を予感させる景色です。この靄は陽が昇るにしたがって消えると思われ、頂上からの絶景が楽しみです。
さあ、野生の高麗人参を求めて出発!
磐梯山で見つけた高麗人参によく似た葉っぱ、ホンモノ?
八方台登山口を出発し登山道を進みます。この辺りは広葉樹が多く針葉樹は少ないですが、程よく陽が漏れ高麗人参が生息しやすそうな感じがします。
高麗人参の葉は手のひら複葉
高麗人参の葉は掌状複葉といい、五枚の葉が輪状に輪生。ちょうど手のひらのように見えるので手のひら複葉ともいいます。一年目は3枚の複葉ですが二年目以降は5枚複葉となります。
さらに茎の数は、二年目は5枚複葉が2茎で、三年目は3茎と一年ごとに1本増えていきます。葉っぱと茎の本数を見れば高麗人参の年数がわかります。
高麗人参に似た葉っぱの植物
森の中で木漏れ日を浴び、まるで後光が差したように光っている植物を見つけました。シンマニの言うように神々しい感じを受け、高麗人参ではないかと期待しながら近寄ってよく見ると、葉は輪生ではなくしかも葉の数は7枚でした。残念ですが高麗人参ではありません。
こんどは、5枚複葉を見つけました。高麗人参と同じウコギ科のトチバニンジンに似ているように思います。トチバニンジンは日本に自生していて、薬効も高麗人参に近い薬草です。栃ノ木の葉に似ていることからトチバニンジン(栃葉人参)と名前がついています。
栃ノ木の葉は先端が尖っているのに対し、見つけたものは先端がのこぎり状になっているので、どうも高麗人参とは違うようです。
下の写真は近所の街路樹の栃ノ木です。今年は早くも実が鈴なりです。殻にはトゲがありませんが、実は栗そっくりです。味は違いますがね。
つぎに、5枚複葉で輪生していますが、各葉が二股に割れた植物を見つけました。各葉が二股に分かれているのでこれは明らかに高麗人参とは違いますが、惹かれるものがあり、図鑑で調べてみました。
ハンカイソウ(樊噲草)に似ています。 樊噲は中国漢時代の武将の名前ということです。静岡県以西に分布と記してあるので、ハンカイソウではなさそうです。
なかなか植物は多様化していて、似てはいるが違うというものが多いですね。
頂上は朝の靄が晴れず、磐梯山の南側麓に広がる猪苗代湖を見ることができませんでした。多くの登山客も残念そうでした。
下山し始めたら晴れてきました。何とも残念。
シンマニの心構え
残念ながら高麗人参を見つけることはできませんでした。そんなに簡単に見つかるはずもありません。シンマニは高麗人参を求めて、山に入る前には謹慎生活に入ります。
殺生はしてはいけない、死体を見てはいけない、肉や魚を食べてはいけない、冠婚葬祭に参列してはいけない、女性との関係を持ってはいけないなどの厳しい規律を守り、山神霊のご加護を得て入山するそうです。
私たちは前の日はホテルで肉や魚に舌鼓を打ち、福島の美味しい美酒に酔いしれておりましたので、当然山神霊のご加護を頂けるはずもありません。
加えて、今回は初心者向け八方台登山ルートを選びましたので、磐梯山の西側斜面を登ることになりました。それもシンマニの言う高麗人参の生息場所の条件に合っていませんでした。
また折を見て北東ルートから挑戦したいと思います。