卵子の老化だけでなく精子も老化する
今まで不妊の原因として、女性は３０代半ばを過ぎたころから卵子が老化し妊娠しにくくなることが言われていましたが、男性の精子も同じころから老化し受精しにくくなることがわかりました。
不妊治療の専門医である国立成育医療研究センターの齊藤英和医師が、千葉県の大学で講演したことが先日ＮＨＫのニュースで報道されました。斎藤医師は学生たちに「妊娠に対して正しい知識を持って人生設計を考えてほしい」と呼びかけました。
「男性が子どもを持ちたいと希望したときから、相手が妊娠するまでの期間」について、３０代から４０代前半の場合、平均で１０か月を超え、２０代の時と比べておよそ１.５倍の時間がかかることや、男性が年を重ねるごとに相手の女性が流産するリスクが高くなることを力説しました。これは精子の老化に因るものであることを男性は知っておくべきだと訴えました。
受精しやすい精子とは
ニュースでは、受精しやすい２０代の精子と３０代半ばの老化した精子の映像を流していましたが、数と運動量でその差は明白でした。
日本生殖医学会のWebサイトによると、正常な精子の基準を設けています。検査法方法は、2-7日の禁欲期間（射精しない期間）の後に、用手法（マスターベーション）で精液を全量を採取し、精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを測定検査します。基準値は下表のとおりです。
表 精液検査の正常値
| 検査項目 | 下限基準値 |
| 精液量 | 1.5ml以上 |
| 精子濃度 | 1500万/ml以上 |
| 総精子数 | 3900万/射精以上 |
| 前進運動率 | 32％以上 |
| 総運動率 | 40％以上 |
| 正常精子形態率 | 4％以上 |
| 白血球数 | 100万/ml未満 |
（WHOラボマニュアル-ヒト精液検査と手技-5版より）
高麗人参は、元気な精子を増殖する作用をもっている
日本生殖医学会の前身の日本不妊学会で、東北大学医学部の白井博士は男子不妊症患者２５人に対して、高麗ニンジンエキスを投与し、精子数と精子運動率を調べた結果を報告しています。「精子数に対しては１６人、精子運動率に対しては８人、運動精子数に対しては１１人に改善がみられ、全く効果を示さなかったのはわずか６人であった。男子不妊症の治療にきわめて有効な薬剤である。」
このほか、群馬大学医学部の志田博士や神戸大学医学部の石上博士らも、男子不妊症に対する高麗人参の有効性について同様の結果を報告しており、きわめて信頼性の高い内容となっています。
高麗人参は、勃起力を回復し高める
一方、性交するためには確実な勃起力が必要です。鹿児島大学医学部の岡本博士は、精力減退に対する高麗人参エキスの臨床研究の結果を次のように報告しています。
４７歳公務員 転勤による単身赴任をしてから勃起力が弱まり、妻との性交中に萎縮することが増え妻が不満を訴える。また、不倫相手との性交時に勃起せず短小といわれ意気消沈。インポテンツになったのではないかと悩んだ末に来院。状況を聞き、精神療法に加え高麗人参製剤を投与したところ、色情性勃起、反射性勃起も満足すべき程度に回復した。
また、大阪大学医学部の垣内博士らは、糖尿病の随伴症状としてみられる精力減退、性交不能の糖尿病患者１４人に対し、高麗人参エキスを投与した結果、精力減退４人中、２人が改善２人がやや改善、性交不能５人中４人が改善１人がやや改善したと報告しています。
このように高麗人参には、元気な精子を作り、確実に送り届けるための勃起力をつける働きがあることが証明されています。男子不妊症に対しきわめて有効な生薬といえます。
男子３５歳、ムスコのケアをしっかりと！
