文字サイズ

  • 標準
  • 拡大

高麗人参の歴史(3)本家本元の韓国を知る

高麗人参

朝鮮民族は四千年前から、高麗人参の効能を知っていた

高麗人参のふるさとは、朝鮮半島の付け根あたりの地域です。北朝鮮と中国北部の国境にある白頭山(中国名では長白山)の山裾に広がる火山灰に覆われた高原地帯に多く自生しています。

一説によると四千年ほど前より、朝鮮民族の祖先が、経験と直観によって高麗人参を摂り始めました。そして長い歴史を重ねることによって高麗人参の効能を確かなものにしました。

そしてその後、高麗人参の優れた効能は中国にも伝わり、漢方薬(医薬品)として発展を遂げていきます。しかし、朝鮮国内では高麗人参はあくまで民間薬の域を出ませんでした。

高麗人参は韓国で生まれ、中国漢方医学が高く評価

560年(西暦)高句麗の平原王時代になり、隋より朝鮮半島に漢方医学が入ってきました。もちろん、後漢の張仲景が著した「傷寒論」(しょうかんろん)も入ってきました。この中には、高麗人参の処方が20余り記されています。

自国の薬草が、他国で大きく評価されることは嬉しい反面、自国の医学の未熟さを痛感させられます。

後漢から隋、唐、宋にかけての中国は、東洋文化や医学が大きく発展していきます。漢方医学の朝鮮王朝への流入は、1392年高麗の終焉まで続きます。

高麗人参を朝鮮民族医学で評価したかった李朝の世宗大王

1392年李朝時代に入り、第4代の世宗大王(在位期間 1418年 – 1450年)は、済世救民策に力を注ぎ、自主的な民族医学の発展を奨励しました。

その結果、これを象徴する代表的な医学書が生まれます。1450年の「郷薬集成方」と1610年の「東医宝鑑」です。この両書には、国産薬材と民族医術としての自立の意義が込められています。

とくに、「東医宝鑑」には、臨床例と治療法が収録されていますが、高麗人参が処方された例は653例(全体の17%)にも及びます。その後、李朝後期に記された黄道淵の「方薬合編」には、122例(全体の28%)の処方に高麗人参が使われています。

この間、紀元前37年の高句麗から、百済、新羅、渤海、高麗をへて1897年の李朝に至る各王朝は高麗人参を独占し、中国・日本はじめ東アジアとの貿易や外交貢物として重用し、国や王室の財源にしました。

漢方から西洋医学へ 国際人参シンポジウムの開催

高麗人参の素晴らしい効能に西洋医学も科学的な解明に乗り出しました。1854年、米国のガリックがカナダ産アメリカ人参を分析し配糖体を発見しパナキロンと命名したことに始まり、1960年代には、日本の東京大学の柴田承二博士と広島大学の田中治博士らが、人参サポニンの大部分の化学構造を明らかにしました。

西洋医学では、ある効能とある有効成分が対応しないと薬として認めてもらえない傾向があります。高麗人参に限ったことではなく、民間薬草は総じて非科学的な目で見られがちですが、西洋医学によって高麗人参の成分が解明されたことによって、多くの人が高麗人参の伝説的とも迷信とも思われていた神秘の効能を信じるようになったのは確かです。

1978年9月に、韓国ソウルで第二回国際人参シンポジウムが開催されました。日本、韓国はもとより、英国、米国、香港、西ドイツ、フランス、イタリア、スエーデンなど世界各国から高麗人参の研究者が集い、高麗人参の医学的な面、化学的な面についての研究成果を発表し、活発な議論が行われました。国際人参シンポジウムは現在も継続されており、高麗人参の神秘的な効能に対する世界的な関心は増すばかりです。

高麗人参は歴代王朝の重要な財源であり、現在の韓国の重要な特産品

高麗人参は、朝鮮半島一体の山深くに多く自生していたのですが、歴代各王朝の財源に充てるため高麗人参は乱獲され続けました。そして高麗時代末期には自生の高麗人参(山参)は消えていきました。しかし、乱獲の一方で高麗人参の栽培が研究され、18世紀のはじめの李朝時代に高麗人参の栽培に成功しました。

韓国は、高麗人参の栽培に適した気候と土壌に恵まれていますが、栽培は簡単ではありません。歴代の朝鮮王朝が高麗人参を大切にしてきたように、韓国政府も高麗人参を国家の特産品として保護育成に力を入れてきました。

韓国政府は高麗人参の栽培に本腰、特産品として高品質を保証

1899年12月1日、当時の大韓帝国政府は内蔵院に高麗人参の保護育成を管轄する参政課を設けました。 以後、朝鮮総督府専売局、大韓民国専売局、専売庁、韓国専売公社、そして韓国煙草人参公社と名前を変えながら、1999年には民営化され現在の株式会社韓国人参公社となりました。

115年の歴史を持った世界最高の高麗人参の専門企業となり、「政府が管轄する所で生産された信頼できる製品。まさに(正)、国の(官)、製品(庄)」という意味の「正官庄」ブランドで販売されています。

イギリス、アメリカ、日本、香港、台湾、ベトナム、オーストラリアなどはじめ、世界約60ヶ国に輸出しています。
韓国が最も力を入れている特産品が高麗人参です。「6年根紅参」の品質には圧倒的な信頼感があります。

”最後はクラウン!”じゃないですが、試して頂きたい一品です。少々お高いですがオススメの一品。